天保元年(1830年)から続く家業の北国屋清兵衛で修行をした猪之助が1898年に独立して、屋号を猪山とした。 以来二百年以上に渡り、京雛の頭師として技術研磨と継承を重ね、川瀬猪山の名は京頭における最高品位の象徴として確立されるまでに至りました。江戸時代からの技法を今に受け継ぐ川瀬猪山の歴史は、京人形の歴史そのものと言っても過言ではないかもしれません。
分業でつくることで高い完成度を誇ってきた京人形。 その京人形の頭師の製作工程は、杉の挽粉に生麩糊を混ぜて型押しした生地作りから始まり、乾燥、眼入れ、地塗り、なか塗り、めきり、さらえ、研磨、上塗り、描毛とすべてが手作業のため多くの手間と時間を要します。眉や口紅の描画には数十種類の筆を用い、熟練の技術と経験、集中力を必要とする作業となります。
川瀬猪山が製作に携わってきた、ひな人形、御所人形、日本人形、五月人形などの京人形作品ギャラリーをご覧いただけます。川瀬猪山として皆さまに最も馴染み深い京頭製作はもちろん、これまで培ってきた人形づくりの技法を大切にしながら、過去ではない現代の京人形も創作しています。
本名:北川氏也。大阪芸術大学卒業後、グラフィックデザインの仕事を経て、義母にもあたる三世川瀬猪山に師事。2009年に四世川瀬猪山を襲名し頭師として何時までも飽きる事なく愛され又、心の和むような人形づくりに励む。 近年では、祇園祭の鉾の御神体の復元など多岐にわたってその活動の幅を広げている。
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